H-TOA「MIGHT HAVE HAPPENED~ありえたかもしれない発表~」の前
昨年の10月中旬、宇宙をちょっくら旅してきた。行先はニタス。
宇宙旅行が実現するとかしないとか言ってるけど、宇宙そのものは国道みたいなものだと思う。目的地ではなくて、そこを通っていくような。
宇宙飛行士だって、漠然と宇宙に行くというよりは、ひとまず国際宇宙ステーションを目指すものなんじゃないかな。
今回わたしはニタスへの旅行の予行演習に参加したというか、ニタス側からすると客に見られる練習としてその客役をやったというか、稽古を見学させてもらった。
その稽古は見ていて非常に面白くて、観劇って楽しいのは本番だけではないんだ、と強く感じた3時間だった。
普段みんなから呼ばれている名前では呼ばれない、役の中身をつくる?探す?作業。
動きをどうするとか、台詞の速さ、息継ぎについて。どんな感情で喋るかとか。わたしはそれをやれと言われてもできないけど、聞いているとやっぱり変化は何となくわかる気がする。
長い台詞はいったいどこまでがひとまとまりで、どこで区切ったら観客の頭に入りやすいか。スラーがどこで途切れているかよく見なさい!と言われたことを思い出した。似てる。
本番では姿見を持って動くところを、この日はまだ実物がないのでエア姿見を持っているということもあってか、ちょっとパントマイムみたいだった。
流れる独特な空気。ピリピリした感じではないけど、まったりともしていない。よくその空気が保てるなと、すごいと思った。しばられるとかしばるじゃないけど、律している。人間って真剣になると自律できるのかもしれないなぁ。
稽古や練習と本番って、「けん けん ぱ」みたいだと思う。
けんけんぱは、両足をつく「ぱ」の部分が2回も3回も続くと跳ねるのがしんどくなる。「けんけん」があるから、ぱ がやりやすい。本番のためのけんけん。逆に けんけん だけだと、いつまでも ぱ という目標や区切りがないからそれもそれでしんどい。主にやる気の維持という面で。
ぱ と形は違うけど、やっぱり大事なもの。
話の筋を知っているからこそ、ああでもないこうでもないと言っていたあの箇所はこういう風にしたんだ!とか、登場人物に親しみを感じたり妙に可愛く思えてきたりとか。
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稽古を見せてもらったから、
本番を見るときもいつもと違う楽しさがあったんだと思う。