所感と書感たち

読書に限らない感想文。じぶんの記憶がアテにならない!だってわたしは人間だもの。せっかく読んでも思ったことはどんどん消えてゆく。 むずかしいことは書きません書けません。小学生っぽくやります。本じゃないのも混ざります。最近何考えたか読んでくれる人はぜひ。なくてもいいけどあってもいいもの。Tumblrからお引越し

KIOSKの記憶

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定期的に電車に乗るようになったのは、

小学6年生にあがる春休みからだった。

最寄りも行き先もJRの駅だったので、

駅の売店といえばキオスクだった。

 

コンビニに寄ることもあったが、

スーツ姿の男性や女性が後ろでレジ待ちをしていると

なんとなく申し訳ない気持ちになって、

財布も小銭も扱い慣れていないわたしは

落ち着かないことがあった。

サッとできなくてごめんなさい。

 

わたしがよく立ち寄ったキオスクは、

(たぶんだけど)

ラッシュ時を除けばのんびりとした店舗で、

五円玉や一円玉をがちゃがちゃ探していても

後ろに人が並ぶことが少なかった。

おまけにレジのおばさんは、

「あら、ぴったり出してくれたの」

なんて言ってくれるものだから、

嬉しくなっちゃって。

飲み物はそこで買うことが増えていった。

 

就職して、私鉄沿線に数年ばかり住み、

先日また、

キオスクのある駅が最寄りになった。

いまはほとんど小銭を使わずSuicaで払うし、

ルフレジだってあるから、

ほかに買う人が居てもそわそわしなくなった。

 

おばさんは、当然のことながら

6年生の時のあの人ではない。

(駅が違うんだしそりゃそうだ)

それでもなんとなく、

ホームの自販機よりキオスクで買うことが多い。

単に好きな飲み物が自販機にない

という理由もあるけれど。

 

いまのキオスクのおばさんは、

少しだけかったるそうに見えることもある。

でも、毎日お茶を買っていると

割とすぐに顔なじみになってくるものだ。

かったるそうにしながらも、

見かけによらずけっこう大きな声で

「まいど〜」とか「ありがとうございました〜」

と言ってくれるおばさんのことを、

なんだかいいな、と思っていた。

 

そんなある日。

真っ昼間なのに、

キオスクのシャッターが閉まっていた。

 

緊急事態宣言。

 

近くの駅のNewDaysは営業していたので、

てっきりこのキオスクも

開いているものと思っていた。

貼り紙には臨時休業とあって、

期間も「しばらくの間」となっていた。

いつ開くのかはハッキリしない。

 

臨時休業の前、

最後にここでお茶を買ったとき、

ほかにお客さんがいたので

わたしはセルフレジで会計をした。

おばさんに合図はしなかった。

 

約1ヶ月半、おばさんの姿を見ていない。

 

緊急事態宣言は、

明日、首都圏も解除されるのだろうか。

 

ソーシャルディスタンシングと言われているけれども、

あのキオスクが開いたら、

できればおばさんのレジにお茶を持って行きたい。

 

おばさんは元気にしているだろうか。

少しくらいかったるそうでもいい。

 

 

ちなみに、毎日買っていたお茶とは。

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お茶よりさらっと飲めるお茶。

濃いお茶も好きだけど、あえて薄いところがいい。

わたしは好き。