所感と書感たち

読書に限らない感想文。じぶんの記憶がアテにならない!だってわたしは人間だもの。せっかく読んでも思ったことはどんどん消えてゆく。 むずかしいことは書きません書けません。小学生っぽくやります。本じゃないのも混ざります。最近何考えたか読んでくれる人はぜひ。なくてもいいけどあってもいいもの。Tumblrからお引越し

椎名林檎『不惑の余裕』から「人生は夢だらけ」

40歳だって!不惑の年。そして、デビュー20周年。

私が物心つきはじめたときから、この人はステージに立って、歌って魅せて、「椎名林檎」で居続けていたということだ。
私が彼女の曲や東京事変の曲を聴き始める前には、あるいはそれからも、活動を休止したり復帰したり解散したり、結婚したり出産したり離婚したり、そして、見せはしないいろんなことがあったんだろう。

 

「丸の内サディスティック」や「修羅場」や「本能」は、聴きはじめた学生時代には、すこし大人向けに感じて私の気持ちはざわざわしていた。けれど今やっと、よい意味でふつうに聴けて、何回も聞きたくなるような。

 

ぶっとんだ格好や独特な歌詞、でも喋るとえらく丁寧で面白い人。今林檎さんに抱いているのはそんな印象だ。

かっこいいと思う。中身を発信し続けられるエネルギーを授かって、それを大事に自分で育ててきた人なんだと思う。

 

私は、彼女の歌には「男と女」系と「日常しんどい、けどどんな形でもくらいついて生きてこうぜ」系があると思っていて(ちょー乱暴な分類だから熱心なファンの人に怒られちゃいそうだな(笑))、特に後者が好きだ。
曲で言うなら、「自由へ道連れ」とか、「幸福論」とか、「獣行く細道」とか、変化球で「やつつけ仕事」とか…まだまだある。ただの羅列になっちゃうからやめとく。

 

40歳のお誕生日にさいたまスーパーアリーナで生林檎歌を聴けたのは、まさしく至福だった。たくさん歌ってくれた中でいちばんこみ上げるものがあったのは、意外にも「人生は夢だらけ」だった。自分でも、「意外にもってなんだよ」と思うんだけど、とにかく意外だった。だって、「やつつけ仕事」とか、「神様、仏様」とか「雨傘」とか、はたまた「積木遊び」とか、自分でも好きだと自覚してるものも歌ってくれていたから。

 

なんで「人生は夢だらけ」で涙したんだろうと考えたとき、いまの林檎さんの歳で歌ってくれたことも大きいのかなと思い当った。私は年齢を重ねることを怖がっている節があって、
「これからどうなっちゃうのかな」
「今でもものすごく疲れるのに年齢上がって体力落ちて来る中で子育てできるのかな」
「記憶力も落ちてくるだろうに、若い人に混じって今の40代や50代の人のように働けるのかな」
なんて。みんなには、先のこと考えすぎって笑われるなぁきっと。

 

こんな時代じゃあ手間暇掛けようが掛けなかろうが終いには一緒くた
きっと違いの分かる人は居ます そう信じて丁寧に拵えて居ましょう

 

こんな時代でも、
さきに不安があっても、
きっとどこかに分かり合える人は居るのかな。
そういう人たちと、ゆっくりゆっくり関わりあえたらいいな。

そう信じて丁寧に拵えて居ましょう

 

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スーパーアリーナに綺麗に貼られていたので思わず写真

ほんとに、「夢だらけ」なのかな。
林檎さん、あなたより10数歳年下の後輩は、まだ泥の中。沈みそうでもがいています。
あなたの歌を聴いて、酸いも甘いも受け止めて、必死に、たまには楽しく過ごしたい。

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ライブが終わり、夢のあと のけやきひろば

 

#椎名林檎 #不惑の余裕 #人生は夢だらけ